樂園学会 芸術展

19世紀初頭から姿を現し始めた産業資本主義の様相は、ニつの世界大戦を経て現在の姿に至った。
人と人の関係は、モノとモノとの関係のように、一度は無機質な合理化の渦へと呑み込まれたように見えた。しかし、私たちは喪失していく人間性、あるいは自然性に耐えることは出来なかった。それは、人の感性が、宇宙にまで至る広範囲の混沌の世界からくる、エネルギーとの調和を拒むことに、最後の最後まで抵抗し続けてしまう性質であったことが理由であるだろう。

宗教も、科学も、それらはすべて芸術へと回帰していく。なぜなら、芸術とは、すべての人間の行為において源泉となる最初の一手であるからに相違ない。今度の芸術展は、科学者や学者、音楽家、医師たちが、アートが常に現すあの樂園の世界へと向かい、アーティストとなり、それを世に下ろした物の展示である。それは、極まった極小の世界が、すべての混沌の世界を包括する宇宙であるのと同様であると感じられることもあれば、ふとした瞬間に戻ってくる、ありのままの現実の世界のようなバラバラの世界の一部である瞬間でもある。

宇宙は全てを浄化しようとしている。人と人、人とモノ、モノとモノとのバランスが、私たちの目の前で自然均衡を保つとき、わたしたちはこの自然界において、どんな役割を担うようになるのだろうか。急速に変化していく、この今という瞬間の連続の中で、未来に向けて耐えうるだけの準備を、この世界の中で一体誰ができると言うのだろうか。むしろ、それは本当に必要なことなのだろうか。本当にすべて手放した時、この世界は一体どのような景色を見せてくれるのだろうか。

2024年の夏という目の前であり、遠い未来であるこの度の展示の試みとして、私は雲に乗ろうと思う。そして今度展示する作品たちとともに、さらなる未来と回収されていく事になるのだろう。思考世界の終着駅から始まる新たな感性の世界。地球は今までと比べものにならないくらいの速さで回転している。

樂園芸術展運営委員長 佐々木慎太郎

開催概要

出展者:

伊藤桂司 (グラフィックアーティスト)

大浦イッセイ(インダストリアルデザイナー)

大野木啓人 (空間演出デザイナー)

和真音 (音響療法家)

鎌田東二 (宗教哲学者)

椚座信(rakueneeds)

近藤高弘 (陶芸家・美術家)

佐々木慎太郎 (事業家)

鈴木邦江 (ダンサー・振付家)

岩崎園子 (声楽家)

鈴木寅二啓之 (美術家)

谷崎テトラ (構成作家)

藤枝守 (作曲家)

細見純子(クロスカルチャー・アーティスト)

三上その子 (詩人)

やなぎみわ (美術家・演出家)

ツェンコヴァ・ルミャナ (科学者)

(敬称略・五十音順)

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開催日時:2024年7月15日(月・祝)ー 24日(水)10:00 ー 17:00

会場:京都芸術大学 ギャルリ・オーブ

主催:樂園芸術展運営委員会

                委員長 佐々木慎太郎

協賛:京都伝統文化の森推進協議会

協力:樂園学会

 

アクセス

京都芸術大学 ギャルリ・オーブ

〒606-8271

京都府左京区白川瓜生山2-116 京都芸術大学 人間館1F

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市バス「上終町・瓜生山学園 京都芸術大学前」下車すぐ

叡山電車「茶山・京都芸術大学駅」より徒歩約10分

 

関連プログラム

シンギング・リン 音浴会(7/20土 10:00〜11:30)

樂園学会(7/20土〜21日)

楽園茶会(7/21日 15:00〜16:00)

大重祭 〜故大重潤一郎監督 しのぶ映画祭(7/22月)

楽園ダンスパフォーマンス 鈴木邦江&岩崎園子(7/21日 16:30〜)

比叡山登頂(2024年7月)

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